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June 14, 2005

[アメコミ] FCBD 2005

FCBD(Free Comics Book Day)というのは年に一度コミックス店で無料のコミックスが配布される、というイベントです。私がコミックスを買っているMile High Comicsでは、FCBDの直後の発送時に無料コミックスを同梱してくれます。

Crossgenから出ていた"Way of Rats"とかは、この無料コミックスで知ったのでした(Crossgenはつぶれてしまいましたけどね)

今年送られてきたものの中では、Simpsonsが意外とおもしろかったのが収穫でした。ベストはImageの"Flight"(抜粋)です。

Flightというのはインディ系作家のアンソロジーのようで、この抜粋には第1巻からカズ・キブイシの「コッパーの初飛行」、第2巻から?の「ロボットと雀」が採られています。どちらも優しい絵柄で、カラーリングがすばらしい。短いこともあってストーリーは物足りないですが、小品として良くまとまっていると思います。
(雀は「渡る」のだろうか、とか、細かい疑問は無くもないですが)

Flightそのものは結構高い本なのでちょっと手が出ないですが、魅力は十分伝わってきました。

ところで、カズ・キブイシ(最近ではViperで"Daisy Cutter"という異世界ウェスタン(?)を出している)って日本人なんでしょうか?

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[アメコミ] Batman: Jekyll & Hyde #1

Batman: Jekyll & Hyde #1

W: Paul Genkins
A: Jae Lee

Marvel Knightsの初期に"Inhumans"を制作したコンビです。6話のリミテッドシリーズで後半3話はアートが代わるらしいですが。(アーティストの途中交代がストーリーと関連しているのかどうかは不明)

どう見ても暗いストーリーになりそうですが、アートが美しく読みやすいです。バットマンで「ジキルとハイド」といえば、トゥーフェイスしかいない感じですが、第1話で起こっている事件には彼は直接関わってはいない様子。アーカムの彼の独房で爆発が起きたところで終わっています(予告によると、デントは脱走するらしい)

ジェンキンスは私にとっては「信頼できるライター」ではないので、そういう意味でどうなることか楽しみです。

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本格ミステリの魅力?

西澤保彦の「パズラー」に付いていた貫井徳郎の解説を読んで、自分はパズラーにはあまり魅力を感じていないのだということを改めて自覚してしまいました。

「魅力的な謎とその論理的な解決」がパズラーの本質だとすると、「謎」にしても「論理的な解決」にしても(特に貫井氏が指摘するように後者は)現実世界では存在しにくいものなのであり、それゆえ、これらを強調すると小説世界がリアルでなくなってしまう。そうした、「作り物感」がどうやら私は好きでないみたいなのです。

ではいったい自分は本格ミステリの何が好きなんだろうか?と考えてみると、なんといっても「意外な真相」なのですね。大げさに言うと、「目に見えている世界」についての「別の解釈」に目が開かれることに魅力を感じる、ある種の「悟り」志向なのかもしれません。

などと考えていたら、これはもしかしたら「本格ミステリ」でなくても良いのかも、と思えてきました。

ラドラムとかル・カレとかだって良いわけだよなあ(ハードボイルドだってありますよね)。
(未完)

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[小説] ギブソン

ギブソン

著者:藤岡真
ISBN: 4488017096
創元ミステリフロンティア

や、これはすごいです。

滑らかで切れのある文章。簡潔だが的確な人物描写。重くてもドロドロしないストーリー運び。これで、サラリーマン小説でも書けば、それはそれで人気が出そうな感じですが、まあ、そうはならないのがこの人の魅力ということで。

考えてみれば、「ゲッペルスの贈り物」も「六色金神殺人事件」も本書も、設定や展開はそれぞれ全く異なっているのですが、にも関わらず、最後には「世界がひっくり返る」ような結末になるのがお約束という、ある意味ヘンな作家ではあります。

3作の中ではこれが一番苦い結末かなあ?それだけに、締めくくりのギブソンのエピソードが効いていてあざやか。

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[小説] 痙攣的

痙攣的

著者:鳥飼否宇
ISBN: 4334924565
光文社

私的には「太陽と戦慄」が激しくダメだったので、この作者はもう読まなくても良いかとも思ったのですが、同じ出版社から出ている「本格的」は面白かったし、「観察者」のシリーズも良いと思うので、試してみました。

で。最初の話で「ウベ」という人が率いる「鉄拳(ドイツ語でファウスト)」というバンドが出てきた段階で止めようかと思いましたが...まあ、「太陽と戦慄」ほどひどくはなかったです。

クラウト・ロックのバンド(カンとか)のメンバーを連想させる名前の人物が出ますが、最初の話以外は音楽に関係ないのが不幸中の幸いというか...(この人にはロック小説は向いてないと思う)

でも、どっちにしても、私的にはもう次は無いかな、と。

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[小説] φは壊れたね

φは壊れたね

著者:森博嗣
ISBN: 4061823922
講談社ノベルズ

この作者の芸はある種の「天才」の思考(ほとんど「狂気」のこともある)をきちんとトレースしてみせるところにあると思う。

なので、「天才」が出てくる話はとても面白いが、出てこないと(あるいは「天才」ぶりが低調だと)つまらない。

本書は後者。

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[小説] パズラー 謎と論理のエンタテイメント

パズラー 謎と論理のエンタテイメント

著者:西澤保彦
ISBN: 4087747042
集英社

ノンシリーズの短編集。この作者らしい作品がそろっており、サンプラーとして好適と思う。(ノンシリーズなのにキャラ
クタがしっかり立っているものがあり、シリーズものに見られるキャラクタ小説としての特徴まで本書で味わえるのがすごいといえばすごい)

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[SF] Time Ablaze

Time Ablaze
著者:Michael A. Burstein
Fictionwiseで入手

1904年のニューヨーク。ドイツ系のコミュニティに一人の青年がやってくる。コミュニティでは、近づいてきた蒸気船での小旅行に期待がふくらんでいた。

青年のホームステイ先の娘アデルは、ふとしたことから、青年が「1904年に起きた悲惨な蒸気船事故」を記録した書物を持っていることを知ってしまう。その事故はこれから起こるのだ...

ということで、タイムパラドックスものです。"Paying Forward"もそうですが、Bursteinという人は「ロジックはけっこう雑だけどしみじみとした話を書く人」なのですね。

未来人(読者と同時代人)が1904年の人にタイムパラドックスや何かを説明しようと苦労する、というあたりが読みどころでしょうか。

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[SF] Paying Forward

Paying Forward
著者:Michael A. Burstein
Fictionwiseで入手

「私は死にかけている」という独白で始まるあるSF作家の回想。
彼が小説家を志していた若い頃、小説作法の師と密かに仰いでいた作家がいた。その作家が亡くなった後、その作家のwebページを訪れた彼は、「メール送信」のリンクが活きていることを発見し、ふとした感傷からファンレターのメールを送る。それは誰にも読まれることのない手紙であるはずだった。

ところが翌朝彼は故人であるはずの作家から返信を受け取る。誰かの「なりすまし」かと彼は怒るが、やがてそれは本人からのものと考えざるを得なくなり、その作家の指導のもと、彼は小説家としての才能を磨いていくことになる。

やがて、作家としての地位を確立した彼が自らの死期をさとった時に...

というお話。

「死者からのメール」の説明はちょっと納得いかないけれど、そういうことを気にせず、しみじみとしたファンタジイとして楽しむべきものと思う。全編、主人公の独白とメール文だけで構成されており、書簡小説のような一種の静謐感が漂う佳品。

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[SF] Kiln People (抜粋)

Kiln People (抜粋)
著者:David Blin
Fictionwiseで入手

特殊な粘土で作られた人形に自分の意識をコピーし、様々な雑用をさせることができる、という社会。人形(ゴーレムとかdittoと呼ばれる)は一日しか保たないので、一日の終わりには必要に応じて意識を「書き戻す」ことで、本体の人物は数人分の体験を保持できる、というわけ。

dittoはコピーの精度や用途によって肌の色が異なり(人間の肌色を模してはいけないという法規制があるらしい)、緑は単純作業、灰色はある程度高度な知的判断が可能で、黒檀色は専門性が強化されている、などなど。

基本的に主人公の一人称視点で語られるが、意識は主人公のものでも個体としては別だったりして(つまりdittoの一人称もある)、なかなか凝った構成になっている。

ストーリーは、このコピー技術を開発した科学者の一人の失踪事件の解決を依頼された主人公(私立探偵)が調査を始めようとした矢先、失踪した科学者のdittoが姿を現して一同がほっとしたのもつかの間、本体は事故死していることが判明する。彼は何者かに追われていた....のだろうか?
というなかなかサスペンスなもの。このほかにもいくつかのストーリーラインがあり、複数視点(人物としては一人だが)で話が進んでいく。

読んだのは抜粋なので、結末はわからない。アマゾンの書評では「竜頭蛇尾」という評もあるようなので、話がうまく収束していない可能性もある。

しかし、dittoのいる社会を細かい設定で構築してみせた、というだけで十分価値があるような気がする。むしろストーリーそっちのけでいろいろ空想をめぐらしたくなるような魅力がある。

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[小説] 天啓の殺意

天啓の殺意

作:中町信
ISBN: 4488449026
創元推理文庫

これは良い。かなりあからさまなヒントが冒頭にあるが、それが何を意味するのか、結局最後まで気づくことができなかった。

本当のところ何が起こっていたのか、は、落ち着いてよく考えてみないとわからないほど複雑だが、仕掛けそのものは単純明快。見事。

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[小説] 模倣の殺意

模倣の殺意

作:中町信
ISBN: 4488449018
創元推理文庫

小説としての仕掛けの大きなものが好みなので楽しめた。ただ、仕掛けが途中で見えてしまって残念。

「この時代にこのトリックはすごい」という趣旨の評があり、たしかにどうだとは思うが、だからといって今の(すれた)読者に通用しない作品なのかといえば、そんなことは無いと思う。

この辺は「どこまでヒントを出すべきか」という難しい問題に関係しているのだと思う(ヒントが少なすぎて何がすごいのかわかってもらえなければ、元も子もないし)。

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[アメコミ] 月刊連載200回

某人気漫画が月刊誌で連載200回を迎えたという話を知って、同じ月刊ベースのアメコミで200号前後のタイトルというのは何だろうと調べてみました(話のつながりがむりやりでしょうか)

4大出版社の現役タイトルの号数の多いものを並べてみるとこんな感じです(revampとかで番号がリセットしたタイトルがあるので、厳密な「歴史の長さ」ではありません。あくまで、現行の号数によるリストです)。

Detective Comics #807
Adventures Of Superman #641
Batman #640
Fantastic Four #527
Amazing Spider-Man #520
Uncanny X-Men #460
Superman #218
Hellblazer #208
Batman Legends Of The Dark Knight #192

ちょっと異色だと思ったのがHellblazer(映画「コンスタンティン」の元ネタ)です。この手の話でここまで続くのは珍しいのではないでしょうか。

ストーリーと画を一人で担当して200回となると話は違ってきて、メジャーの出版社にはまず無いと思います。小出版社から出ているものではあるかもしれないけど、私は全然わかりません。
有名なところではCerebusがありましたが、これは300回で(予定通り)終わってしまいましたし。Love and Rocketsも長いですが、作者が"一人"ではない(兄弟の作品を集めている)うえに、月刊ではないですね。

Archieとかディズニーのコミックスとかも長く続いてますが、あれは作者はどうなっているのかな?

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[アメコミ] Wolverine #23

Wolverine #23

W: Mark Millar
A: John Romita Jr.
Marvel Comics

前に「ラーセンの時のようだ」と書きましたが、それよりはずっとシリアスで、ウルヴァリンだけでなく、他のヒーローたちもどんどんあやつられていく、という結構壮絶な話になっています。

でも、何だかウルヴァリン以外の活躍の方が目立つような...

考えてみたら、ウルヴァリンって、「他人に操られる」という話が多いよね。だから、マンネリ感があるのかな?

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[アメコミ] X-men #165

X-men #165

W: Chuck Austen
A: Salvador Larroca
Marvel Comics

やれやれ、Austenのストーリーがやっと終わった。

すべてがXorn(2代目)のブラックホールに吸い込まれておしまい、ということで、Austenがやったいろんなこともきれいさっぱりお掃除された、って感じ?

サミー可哀想。ジャガーノート(ちょっと)かっこいい。

次からはPeter Milliganです。不安は尽きない(?)

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[アメコミ] Authority Revolution #4

Authority Revolution #4

W: Ed Brubaker
A: Dustin Nguyen
DC/Wildstorm

Authorityが米政権を掌握した世界、ということで、権力の腐敗(Squadron Supremeみたいな)のストーリーに行くのかな、と思ったら全然違っていて、ミッドナイターは「未来の」アポロに暗い未来を見せられるわ、異常に強力な反乱軍(自由の息子たち)は現れるわ、という予想のつかない展開になってます。#4で反乱軍は制圧されてしまって一段落。

しかし、この後、反乱軍のバックにいたHenry Bendixが現れるらしい!

Ed Brubakerのストーリーなので信頼はしていますが、これまでのところは話がどんどん拡散していく感じで、いったいどういう風に収拾するつもりか、見当もつかないです。

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[アメコミ] Planetary : Leaving The 20th Century

Planetary : Leaving The 20th Century

W: Warren Ellis
A:John Cassady
DC/Wildstorm

待望のTPB第3巻。
League Of Extraordinary Gentlemenのパロディまで出てきて、相変わらず楽しませてくれます。ただ、ストーリーはあんまり進んでいない、というか蛇行ぎみで、「話を終わらせることのできない」Warren Ellisがちゃんと結末まで書いてくれるのか、とても不安。

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[アメコミ] 8ヶ月かかって到着

いつもMHCのNICEでコミックスを買っているのですが、2004年9月発送分が届かず(普通は3週間ほどで届く)、ハリケーンにでもあって荷物が紛失したかなあ、などと思っていました。

ところが。

これが2005年5月に届いたのですね。中に入っていたメモによると、間違ってインドに送られてしまい、その後船便で日本に転送されたので時間がかかったとか。

一部は買い直してしまったので、損害はあるのですが、あきらめていたものが読めたので、なんとなく嬉しかったりしています。

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[アメコミ] New X-Men: Academy X #7-9

New X-Men: Academy X #7-9

W: Nunzio DeFilippis & Christina Weir
A: Michael Ryan
Marvel Comics

最初のストーリーアーク("Choosing Sides")はちょっともたついた感じでしたが、登場人物のキャラクタがはっきりしてきて、学園ものらしくなってきました。(ただ、ソフィアとローリーとか、ケヴィンとジュリアンとか、ここにきてキャラがかぶりはじめているような気がするのがちょっとなんですが)

デビッドのところに遊びに来た妹(普通人)のミュータントへの無邪気なあこがれと、学園の幽霊騒動とがからんでいい話に仕上がっています。

このタイトルはあまり深刻な話にならないのが良いように思います。

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[アメコミ] Rising Stars #24

Rising Stars #24

W: J.M. Straczynski
A: Brent Anderson
Image/Top Cow

ついに閉幕。#23のラストを見て、すべてが無に帰る東洋的な諸行無常の結末になるのかと思いきや、意外な展開が待っていました。そして衝撃のラスト。ちょっと感動。

作者(J.M.ストラジンスキ)が最初のころに言っていたとおりの8巻ずつの3部構成に仕上がっており、構成力という点ではやはり力のある人ですね。

ただ、各部の間の物語としての関連性はあまりありません。もちろん、登場人物は共通するわけですが、キャラクタの魅力で引っ張るタイプの話ではないので、それで統一感がでるというわけでもなかったようです。むしろ、「特殊な能力を持つ人々が存在する状況」を3つの異なるシチュエーションで描いた、ということなのでしょう。

個人的には第1部(だけ)が気に入っています。

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