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February 24, 2005

[小説] 死の笑話集

死の笑話集
著者: レジナルド・ヒル
訳者: 松下祥子
ハヤカワ・ミステリ
ISBN: 4150017611

「ダルジール/パスコー・シリーズ」では「骨と沈黙」依頼の傑作と思う。

かつて、"才能のある魅力的な人物が、実は人知れぬ孤独と絶望をかかえて、ついには自死に至る"というストーリーで我々にショックを与えた著者だが、この作品では「救済としての死」を描いているような気がする。

「第3思考」という思想(?)を提唱するカトリック僧フレール・ジャックという人物が出てきて、他の作中人物からはちょっとうさんくさく見られたりするような描写になっているけれど、地の文ではけっこう肯定的に描かれていたりして、著者自身がこうした"memento mori"的な思想に少し傾倒しているのかもしれない...というのはちょっとうがちすぎだろうが。

なお、本作は前作「死者との対話」と密接に関連しているので、前作を読んでおく方が良いと思う(できれば、それより前のも)。もっと言うと、「骨と沈黙」もそれより前の作品を読んでおく方が楽しめると思うのだが。

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[小説] 密室の鎮魂歌

密室の鎮魂歌
著者: 岸田るり子
東京創元社
ISBN: 4488023797

鮎川賞の受賞作だそうな。

読んでいる途中で、あきたり、あきれたりすることもなく、ラストでがっかりすることもなかった。良く書けていると思う。

趣向の一部は冒頭3ページくらいで予想がついてしまうけど、それも計算のうちかも(「奇想」を売り物にする小説ではない)。

残念なのは、すごく秀逸な最初の密室の趣向が、(どちらかといえば雑な)2つ目以降の事件に埋もれてしまって、今ひとつすごさが伝わっていないような気がすること。見せ方でもっと読者にショックを与えることができなかったかなあ。

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February 18, 2005

[アメコミ] X-men #161

X-men #161
作: Chuck Austen
画: Salvador Larroca
Marvel Comics

グラント・モリソンの後を受けてUncannyから移ってきたAustenの(とりあえず)最終話のはじまり。

米国のマニア(の一部?)に非常に評判の悪いAustenだが、ライターとしてそんなにダメな人ではないと思う。(人間関係ドロドロの青春ものとか書かせたらウマいのではないかな)。問題はX-MENのようにキャラクターが長年かけて作り上げられてきたようなものでも、かなり平気でこれまでのキャラクタリゼーションを無視してしまうことなのだ。

だから、彼が書いた話では、アニーとかサミーとか彼が作ったキャラは良く動くけど、作者が関心を持たないキャラはほとんど無個性になっていたりする(アイスマンみたいに、ただの「イヤなヤツ」にされてしまったり)。

Uncanny X-MENのころの"She lies with an angel"の巻では、彼の作ったキャラで「ロミオとジュリエット」そっくりのストーリーが演じられ、X-MENとはほとんど無関係だったり、やっぱりカンパニータイトルで仕事をするのは向かない人なんだろうな。

今回はAustenが愛したほとんど唯一の伝統キャラ・ジャガーノートが悪人に復帰して...という話のよう。初回の本号はノリが悪くてイマイチ。

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February 17, 2005

[アメコミ] New Avengers #1

New Avengers #1
作: Brian Micheal Bendis
画: David Finch
Marvel Comics

チームヒーローものは好きなのに、アヴェンジャーズやJLAはなぜかあまり読んでいなかった。

なので、どうしてアヴェンジャーズが解散したのかは知らない。

マット・マードックとフォギー・ネルソンがライカー刑務所を訪れるところから話がはじまる。キャロル・ダンヴァースの案内で二人は誰かを訪問するところらしい。ところがそのとき、何者かの依頼によりエレクトロがライカー刑務所をブラックアウトさせ、凶悪犯が次々に脱獄してしまう。事件を察知したスパイダーマンが現場に到着すると、そこにはキャプテン・アメリカの姿があった。混乱の中、マット・マードックは目的の独房に到着する。「リード・リチャーズによれば、あなたは世界最強のヒーローだそうだが...」マットが呼びかけた相手、妻殺しの容疑で収監されているその男は...

ネタバレにならないよう、一応、ラストは伏せるが、これにはシビれた。さすがベンディス。
あまり期待していなかったタイトルだけど、しばらく追いかけてみようと思う。

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February 16, 2005

[アメコミ] CBRピックアップ

DC 5月新刊

あっという間に1ヶ月経ってしまうね。

(新規・注目)
YEAR ONE: BATMAN/SCARECROW #1
Written by Bruce Jones
Art by Sean Murphy

"Hulk"のBruce Jonesが書いているというので、ちょっと注目。

BATMAN: BROKEN CITY TP
Written by Brian Azzarello
Art by Eduardo Risso

"100 Bulltes"のチームによるバットマン(Batman #620-625)。

BATMAN: DARK DETECTIVE #1 & 2
Written by Steve Englehart
Art and covers by Marshall Rogers & Terry Austin

「'70年代後半にDetective Comicsで人気のあったチームによる新作」だそうです。

SUPERMAN: THE WRATH OF GOG TP
Written by Chuck Austen
Art by Ivan Reis, Joe Prado, Marc Campos and John Sibal

「神の怒り」かと思ったら「ゴグの怒り」だった(笑)。個人的にはAustenがどんなスーパーマンを書いたのか興味あり。(Action Comics #814-819 plus #812-813の抜粋)

GREEN LANTERN #1
Written by Geoff Johns
Art and cover by Carlos Pacheco & Jesus Merino

ハル・ジョーダンがついにGLに復帰。

TOP TEN: THE FORTY-NINERS HC
Written by Alan Moore
Art and cover by Gene Ha

いきなりハードカバーの新刊ですか...Neopolisの創生期の話で初代TOP TEN(?)が活躍するらしい。

(定番)
DETECTIVE COMICS #806
BATMAN: JEKYLL & HYDE #2
LEX LUTHOR: MAN OF STEEL #3
SEVEN SOLDIERS: SHINING KNIGHT #2
SEVEN SOLDIERS: GUARDIAN #2
THE AUTHORITY: REVOLUTION #8
EX MACHINA #11

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[アメコミ] Wolverine #20

Wolverine #20
作・マーク・ミラー
画・ジョン・ロミータJr.
Marvel/Marvel Knights

傑作の連続だったグレッグ・ルッカのランが終わり、ミラーに交代した1作目。

謎の刺客ゴーゴンに倒され、回復後も彼に操られてヒーローたちを次々狙うウルヴァリン...って、トーンは全然違うけど、エリック・ラーセン(画・ジェフ・マツダ)の初回と同じ趣向のような。(あれは評判良くなかったよね)

ウルヴァリンはものすごく複雑なキャラクターで、ライターによって性格がかなり変わってしまうわけで、読者の方もそれぞれ「好みのウルヴァリン」がいてしまう。そういう意味ではライターの技量で勝負できない難しいタイトルなのかもしれない。

ま、とにかく、私はルッカのが良かった。

ロミータの画はうまいけど好き嫌いがあるかもな。私はちょっと苦手。でもほんのちょっと出てきたキティ・プライドはかわいかった。

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February 14, 2005

[アメコミ](初物)Detective Comics #801

Detective Comics #801

こんな老舗が何で初物かというと、この号から"City of Crimes"という12回のシリーズが始まるから。ライターは"Stray Bullets"のデヴィッド・ラファム。

はっきり言って、この号だけでは魅力がよくわからない。ストーリーをじっくり作っていくタイプなのかも。

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February 06, 2005

[アメコミ] Batman: Hush TPB vol.1

Batman: Hush TPB vol.1
作: Jeph Loeb
画: Jim Lee
DC Comics

日本語版が出ているとは知らず、英語版を買ってしまった。

Loebのバットマンと言えば、何と言っても"Long Haloween"(画:Tim Sale)だと思う。ミステリとしてもすごく良くできているし、なぜこれが翻訳されないのか不思議だ。Tim Saleの画は日本人に受けないのだろうか?

それはともかく。1巻だけでは話が終わっていないから断定してはいけないのだろうが、なんだか"Loebのパターン"というか、ロング・ハロウィーンを別のアートで見ているような気がする(「謎の人物」の正体は数段わかりやすいし...多分)。

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